鉄拳3:本物のエディ・ゴルドとの対話

このインタビューはGamePro Onlineに以前掲載された記事をJPOLのRicochetさんが翻訳したものです。Obrigado!


エディター独占記事

本物のエディ・ゴルドとの対話

スカリー・ラリーが鉄拳3のエディ・ゴルドのモーションを担当した
カポエィラ・アーティスト、 マルセロ・ペレイラ(メストゥレ マルセロ)にインタビュー

マルセロ・ペレイラ マルセロ・ペレイラ(Marcelo Pereira)はブラジル・サンパウロ出身。
1970年から演劇にも関わっている。
彼はストリート・チルドレンだった頃からカポエィラを始める。
1979年には自らの団体、Associação de Capoeira Senzala Grandeを開き、
1984年には実演と授業のため渡米している。
その後カポエィラ・インスティテュートとブラジリアン・ダンス・レビューを設立した。
現在の彼のスクールの伝統的名称はカポエィラ・マンジンガである。
ナムコは彼の素晴らしい動きをキャプチャーして
鉄拳3のエディ・ゴルドを製作した。
その鉄拳3がプレイステーションに移植されるということで、
GameProはメストゥレ本人からカポエィラという武術について
詳しく聞いてみることにした。

GAMEPRO: カポエィラとは何ですか?

MARCELO PEREIRA: カポエィラは四百年以上前から伝わるブラジルの武芸で、
  武術、ダンス、自己防衛、体操と音楽が一体となったものです。 私を含む我々カポエィリスタの多くにとって、
  カポエィラは生き方そのものです。

GAMEPRO: モーションキャプチャー作業についてはどうでしたか?
  誰か興味深い人には会うことができましたか?

MARCELO: 参加してみて実に面白いプロジェクトでした。
  日本のナムコのスタッフは私を王様みたいに扱ってくれました。
  プロジェクトについて話し合ったり、新しいアイデアを考えたり、美味しい物を食べたりして楽しみました。

GAMEPRO: モーションキャプチャー中に怪我をしたり、させたりはしましたか?

MARCELO: 撮影中は平気でしたが、 モーションキャプチャーをしてる時に一度怪我をしました。
  その痛みが増すのを防ぐため、当初予定していたアクロバティックな技を後回しにしました。
  あと私が誰かに怪我をさせることはありませんでした、
  というのもモーションキャプチャーは私1人でやりましたから。
  これが理由で私はカポエィラの全ての要素のうち20%程度のことしか表演できませんでした。
  他の凄い技を出すためには、対戦相手として腕の立つカポエィリスタが必要でした。
  カポエィラに不慣れな人がカポエィリスタとスパーリングすると、深刻な怪我を負う可能性がありますからね。

GAMEPRO: このような仕事を以前に経験したことは?

MARCELO: ありません。
  私は映画、テレビ、演劇、それに様々なライブをやりましたが、 この仕事はまったくユニークな経験でした。

GAMEPRO: 武術は子供をストリートに近づけないためのよい方法だと思いますか?

MARCELO: そう思います。 以前オークランドで、放課後プログラムとして子供に教えたことがありますが、
  その結果は驚異的でした。 あのプログラムは私のやった中でも特に有益なプロジェクトでした。
  私が子供たちを教育し、しつけ、自信を与えるというだけでなく、
  私自身が子供と同じ視点に立つという機会を得たのです。
  国中のもっと多くの学校でこのようなプログラムを導入することを願っています。

GAMEPRO: このナムコとの仕事はあなたのキャリアになりましたか?
  またカポエィラがより広く知られるようになったでしょうか?

MARCELO: 短い目で見れば、私のキャリアには何の影響も与えていないでしょう。
  一方で、カポエィラは確かにより広く知られるようになっています。

GAMEPRO: 他のゲームでモーションキャプチャーの仕事はしていますか?

MARCELO: まだ何も。やってみたいですね。

GAMEPRO: ナムコはどこであなたを知ったんでしょう? 話が来た時は驚きませんでしたか?

MARCELO: ナムコはきっと1995年に私がサンフランシスコで組織した
  インターナショナル・カポエィラ・セミナーを通して私を知ったんでしょう。
  私は驚き、またこういった新たな次元でカポエィラを代表する人物になったことを名誉に思いました。
  他の多くの武芸の師匠と同じように、私は常にカポエィラが誤解を受けないよう注意を払ってきました。
  我々にとって、伝統は武芸の源流を表現する宝です。
  ゆえに、それは真実と、カポエィリスタの精神と魂を現し、 愛と調和と平和、
  それに我々と我々のコミュニティに対する理解ををもたらすものなのです。

GAMEPRO: 鉄拳3のエディ・ゴルドの出来についてはどう思いますか?

MARCELO: 10段階評価でいえば、エディ・ゴルドには6を与えます。
  前にも言ったように、伝統は重要なことです。
  カポエィリスタはZé Faisca(「閃光野郎」)、Cobra Verde(「緑蛇」)、Gato Preto(「黒猫」)といった、
  伝統的なニックネームを持っています。 名前が英語でも別に構わないんですが、
  エディ(Eddy)はブラジル名ではないし、
  ゴルド(Gordo)はポルトガル語だとデブという意味になってしまいます。
  名前といえば、カポエィラの技につけられた名前も、
  私がモーションキャプチャー時に教えた伝統的な名前から随分かけ離れたものになってしまいました。
  エディの衣装はもっとカポエィラの標準的なものに改善できますし、
  伝統的なカポエィラ・ミュージックでなくても強烈なドラムビートがあれば、
  キャラクターのジンガ(ステップ)に対する良いスパイスになったでしょう。
  というと少々辛口ですが、こんな風に批判的なのも、私が武芸に忠実であらんとしているからです。
  ナムコは他のキャラクターとゲームの戦術の全てを処理しなくてはならなかったでしょうし。
  総じて、私はエディ・ゴルドというキャラクターは気に入っています。
  彼はいくつか素晴らしい技やコンビネーションが使えますし、
  それに、カポエィラについて実際何も知らない観衆にアピールできるものを持っています。
  もしかしたらそれが目的で作られたのかもしれませんね。

GAMEPRO: あなたは鉄拳3をプレイしていますか?もしそうなら、やはりエディ・ゴルドを使うのですか?

MARCELO: 私はビデオゲームを本格的にやったことはありません。
  しかしクリスマスに息子のジュリアーノにプレイステーションをあげたので、 鉄拳3で遊べるようになりました。
  もちろん私はエディ・ゴルドを使うのですが、うちの6歳児に負けてしまうんです。
  やはり彼がエディ・ゴルドの一番のファンですね。

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